2018年1月30日火曜日

【開催レポート】第13回発達凸凹の?について語るcafe

 第13回One day cafe. kyoto 。今回もいつもと同じ構成で前半はゲストトーク、後半はテーマトークになります。

ゲストトーク

   ゲストトークの一人目は看護師のやましのさんです。やましのさんはOne day cafe で使っている、話の見える化(ファシリテーション・グラフィック)を学び活用されています。人前で話すのは緊張するということで、得意の手書きの表現を用いて、お話の内容を紙芝居風にしてトークして下さいました。

 やましのさんは精神科で長く働いておられ、現在は看護学生の実習指導員をされているそうです。学生の中には発達障害の特性を持った方もおられ、専門的な知識に加えきめ細かな配慮や物事を器用にこなす能力が必要とされる看護の現場において、特に苦労される傾向にあるようです。

 やましのさんはそのような方に、個別に相談する時間を取ったり、具体的にやることを提示したりするなどの支援をされているそうです。最近はパステルゾーン(一般的には「グレーゾーン」と表現しますが、やましのさん風の素敵な表現!)の方も含めると意外と多くいらっしゃいます。

 「発達障害の方を雇用しますか?」という質問にほとんどの看護部長が「雇わない」と回答されたという調査結果があります。そこには、「どう接したらいいか分からない」などの発達障害に対する理解不足があるのではないかと思います。

 持っている特性自体はあまり変わりませんが、それ以外のところで変えられる部分はたくさんあります。看護師に限らず発達障害の方を雇用することにためらいを持つ企業さんには、不安や偏見を持たず積極的に雇用して頂けると嬉しいです。


   2人目のゲストは、美容師のくるみさんです。くるみさんは、発達障害のお子さんをはじめとする、美容室でのヘアーカットに困難がある方向けに美容室を開かれています。

 くるみさんは人生の転機を迎える中で、福祉に関わることがしたいと思いたちました。そして、京都市伏見区で発達障害のお子さんに配慮した美容室に出会われたことがきっかけで、今年3月にユニバーサル美容室を開かれました。

 発達障害のお子さんの中には、じっと座っていられない・感覚が過敏・知らない場所や人に不安を感じる・ハサミなどが視界に入ると気になって仕方がない、等の傾向がある人が多いようです。それらの傾向により、座っている時間やケープを巻く・ハサミの音がするということが苦痛だったり、周囲が気になり落ち着かない気持ちになる等の理由からカットができないということも起こるそうです。

 ハサミを使うという危険を伴いながらも、カットに必要不可欠な作業が円滑にできないことに、美容師の方はもちろんですが、本人や親御さんが一番困っています。

     もっと心地良く、安心してもらってカットできるように、立ったままのカットや専用のTシャツ・時間の経過が見えるタイマーなどの使用、カットの流れを写真に取って見せる、使用しない物は隠すなどの方法をとっておられるようです。また、仕上がりにこだわりすぎないことも大切なようです。

 このように従来の方法にとらわれない新しいやり方で、ヘアーカットという定期的に必要なサービスを提供しておられます。今後、色々な理由で美容室に行けない人からのニーズがますます高まりそうです。


テーマトーク

    参加者の方に話し合いたいテーマを出して頂き、興味のあるテーブルに座って議論しました。

   
 ①アスペルガー氏の経歴

    ハンス・アスペルガーは、アスペルガー症候群について初めて定義した医師です。ここでは長くなるので省略しますが、他の発達障害の定義や自閉症スペクトラムについてもよく知っておられる方から説明を聞きました。参加者の方からは、具体的に旦那さんがアスペルガーで困っている話をお聞きしました。

   ②お母さんの存在は?

    お母さんというのは、疎ましく感じる時もあるけれど自分が帰っていける場所です。なくてはならないお母さんの存在が、いかに大切かということを再認識しました。

   ③差別と区別の違い

    多数派と少数派の中にしばしば存在する問題。それは障害者とそうでない方の間にも存在します。ちなみに定義としては、差別は除外や拒否を伴って特別に扱うことで、区別は違うものとして扱うことだそうです。

    ここで出た意見は、差別は感情的で区別は合理的というものでした。世の中は正論が通らないこともありますが、何か問題が起きた時に感情ではなく理性で対応するべきと考えることができたテーマでした。

  ④当事者が当事者を支援出来るのか?

    とても興味深い内容でした。自分も困っているから力になりたいという情熱はあるのですが、人によって特性や困り具合・考え方が違うので意外と上手くいかなかったりもするようです。対策として個人でなく、複数人でチームを組んで対応するのなどが良いのではないかという意見もありました。


   第13回One day cafe. kyoto 、参加者の皆さんのお陰でとても温かい場となりました。そして月1回開催しているOne day cafe.kyotoも無事に2017年を終えることができました。参加・応援して下さった皆さんに感謝です。本当にありがとうございました。

    One day cafe.kyotoではたくさんの方との出会い・交流を大切にしています。まだ来られたことのない方のお越しもお待ちしています。興味を持たれた方は是非ご参加頂けると嬉しいです。

今回印象的だったのは、ゲストの方のお話を聞いて発達障害のお子さんをお持ちの方が涙を流されていたことです。One day cafe.kyotoがこのように深い思いを伝えあうことができる場であることを嬉しく思います。

次回はどんな出会いや気付き、分かち合いができるのか、とても楽しみです。

2018年もOne day cafe. kyoto をどうぞよろしくお願い致します。


【凸凹フューチャーセンター(One day cafe. kyoto )】

自分自身にとっての凸 (強み) は、 おにぎりの中に入っている梅干しのように ぱっと見ただけでは外からは見えにくい。 中に大切にしまわれていて、 自分では見つけにくい。 そんな凸凹を大切にして コミュニティの中での対話やコミュニケーションを通じて自分の凸に気づいていく 学び・成長し続けるコミュニティを 私たちはめざします。

話の見える化(グラフィックファシリテーション)を活用したサポート

話した内容を、その場で文字とイラスト描いて 見える化していくグラフィックファシリテーションを活用した対話の場づくりを行っています。話した内容を忘れても確認できるので、話すことが苦手な方も、人見知りの方も、話しすぎる方も安心して対話に参加することができ、参加者ひとり一人が自分のペースで安心して過ごせる場づくりを心がけています。

気軽にご参加ください♪

   One day cafe. kyoto は発達障害について話してみたい方の対話の場、学びの場を開催しています。「生きづらさを感じているけれど、どうしたらいいかわからない」「身近に生きづらそうな人がいるけれどどう接すれば良いかわからない」「専門家から学ぶのは少し敷居が高い」等、まずは当事者も支援者も普段の肩書きの看板をおろして、対等に対話することでの気づきを大切にしています。発達凸凹の?について語るcafeに「行ってみようかな」と興味を持たれたら気軽にご参加ください♪皆様のお越しをお待ちしています。この他にも、定期的に「マインドマップ」「話の見える化を活用したサポート」「ABD読書会」などの勉強会やワークショップを開催していますので、関心をもたれた方はお気軽にお越し下さい。

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こくちーず *イベント情報を発信しています。
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