2020年11月1日日曜日

【発達凸凹 Book#41】『【新版】大人の発達障害に気づいて・向き合う完全ガイド』





皆さん、愉しんでますか~?
凸凹フューチャーセンターのトシヤです。
久々に、発達凸凹Bookをお送りします♪

発達凸凹に関する本は本当にたくさんあって、この本がベスト!ということは言えません。

でも、もしかすると一冊の本が、生きづらさを感じている人の扉を開いてくれるかもしれない…という思いを込めて、本をご紹介します。

 本の紹介

『【新版】大人の発達障害に気づいて・向き合う完全ガイド』
黒澤礼子=著/講談社

 本書はまず1章で発達障害に関する基礎知識を解説しています。
 2章では基礎調査票と評価シートを載せています。これは、本人、家族、上司など、誰でも記入できるように工夫してあります。続いて、 著者が日々現場で携わっている例を元に、実例を掲載してあります。
 3章では、具体的な対応方法について、本人ができること、家族や周囲の人ができることをそれぞれ、できる限り具体的に解説しています。

書評

 本書は、家族や周囲の人が当事者に発達凸凹に気づいて欲しいという思いからと渡す一冊として、また、当事者が家族や周囲の人に、自身の障害のことや支援してほしい内容を伝える一冊として、大いに役立つのではと思いました。

 まず、ページ数が72ページとして少なく、イラストが豊富に用いられているので読みやすいです。
 
 第2章の評価シートは直接書き込めるように工夫されていて、特性や長所、短所を総合的・多角的に把握するのに役立つなと感じました。
 
 また、評価シートは、家族や周囲の人など、複数の人に記入してもらうと、多面的な検討が可能となるとともに、当事者と周囲の人との間にある認識のズレを確認することもできるのではないかと感じました。
 
 第3章の対応方法の具体例では、イラストをふんだん交え、要点がまとまっており、すぐに取り入れやすいように工夫されているのがいいなと思いました。

引用とコメント

以下は書籍からの引用とコメントになります。
「⇒☆」から始まる箇所が引用に対するコメント文です。

 本書はまず1章で発達障害に関する基礎知識を解説しています。
 2章では基礎調査票と評価シートを載せています。これは、本人、家族、上司など、誰でも記入できるように工夫してあります。本人が記入すると結果を想像して加減する可能性があるので、本人以外の人にも記入してほしいと思います。 続いて、実例を掲載してあります。私が日々現場で携わっている例を基にしています。
 ぜひお読みいただきたいのは3章の対応方法です。本人ができること、家族や周囲の人ができることをそれぞれ、できる限り具体的に解説しました。
(4ページ)
⇒☆この3章はイラストを交えて、対応方法が分かりやすく説明されているので、時間がない人は3章だけ読んでも、実生活に十分役立つのではと思いました。

障害があると周囲がわかっていて、それは克服できることであり、このようにすればよいと焦らず少しずつ教えてくれれば、変わることができるないかと思うのです。
(39ページ)
⇒☆当事者自身が気づき、周囲が焦らず少しずつ教えてくれれば克服できるという希望を持てる一文です♪

変わろうと努力してくれていることを評価してあげてください。かけがえのないパートナーという言葉は、あなたの価値を最大に認めたことだけはないですか。
(42ページ)
⇒☆変わろうと努力していることを周囲が評価する、もしくは自分自身で評価していくことが大切なのではないかと感じました。

クールダウンの方法を決めておきます。例えば、水を飲む、深呼吸をする、簡単リラックス法(P61参照)、「落ち着け落ち着け」「がまんがまん」と心のなかでつぶやく、好きなことに取り組むなど。
(52ページ)
⇒☆日頃から、自分がどうすればクールダウンできるのか把握し、方法を決めておくことが重要ですね。

動くのは人より3倍大変なのですから、だめな私と思わず、動き出せた自分を褒めましょう。動き出すために、好きなことや、やりやすいことから始めるのもいいですね。
(58ページ)
⇒☆洗顔しただけも「えらい!」と自分を褒めてあげるようにしましょう♪

簡単リラックス法
①力を抜く
 全身にぎゅーっと力を入れる。5まで数えたら一気に力を抜く。2回繰り返。リラックスした感覚がわかる。
②ゆっくり呼吸をととのえる。
 目を閉じて大きく息を吸い込み、口から細くゆっくり吐き出す。10回くらい繰り返す。
③伸びをする
 しっかり大きく伸びをしてから、手のひらを握ったり開いたり。3回繰り返す
(61ページ)
⇒☆発達凸凹のある人は、普段から心身ともに緊張しがちで、リラックスした感覚がわからない人も多いと思います。なので一度力が入った状態にしてから、力を一気に抜くことでリラックスした感覚をつかめるようになります。

くどくど叱ってもわかりません。自分で考えて適当にやることが苦手です。仕事の指示は5W1H を意識して具体的に出しましょう。
・なにを ・どれくらい ・どうする ・いつまでに ・どこへ
 一度にひとつずつ、できればメモにして渡し、大事なことはときどき確認します。
(66ページ)
⇒☆トシヤも、自分で考えて適当にやることが苦手です。その反面、5W1Hで具体的に支持されれば理解でき、支持されたとおりに動けます。

非難されたと思わせないために、主語を「私は」で言うのがコツ。
(69ページ)
⇒☆相手の気持を汲み取ることが苦手な当事者さんも多いので、「私は〇〇と言われたのが悲しかった」と言ってもらえると、相手の気持も理解しやすくなるなと感じました


 

2019年7月3日水曜日

【仲間になってください!】当事者、支援者、研究者... 立場を手放したフラットな対話の場を、日本発達障害学会へ



仲間になってくださる方は、こちらのリンクへ


2019年8月24・25日、北海道北星学園大学で開催される日本発達障害学会で、私たち凸凹フューチャーセンターがラウンドテーブルのひとつを任せていただけることになりました。

学会というアカデミックの世界で、当事者と研究者、支援者、様々な関係者が、フラットに対話する場が実現します。

ここから何が生まれてくるのか。。。発達障害界隈で、何かが変わるきっかけを、私たちがつくれるかもしれません。

しかし、私たちにはお金がありません。北海道・東京・関西から駆けつけてくださるゲストの皆さんと、私たち凸凹フューチャーセンターのメンバーの交通費と滞在費が足りません。どうか、私たちが学会で対話の場をつくることを、応援してくださいませんか?

どんなことをするのか、どんな思いがあるのか、気にかけてくださる方は、下記サイトをご覧の上、応援いただけたら嬉しいです。私たちができる、精一杯のお返しも、頭をひねって考えました。どうか、ご協力お願いします。

仲間になってくださる方は、こちらのリンクへ

ーーー

日本発達障害学会 第54回年次大会(http://jasdd54.jp/
凸凹フューチャーセンター ラウンドテーブル詳細


③「フラットな対話の場から生まれる新たな可能性を体感する
~当事者・家族・支援者・研究者等が肩書きを手放し価値観を共有する対話の場~」

企画:  鈴木さよ(同志社大学)
     奥野美里(凸凹フューチャーセンター共同代表)
話題提供:福島誠(北海道の発達障害当事者ミーティングこんとん代表)
     仁科隼人(はやぶさコンサルティング代表)
     yu-ka(シンガーソングライター)
     恩庄香織(京都市立伏見工業高校)
司会:  鈴木さよ(同志社大学)

日時:8月25日㈰ 15:10~17:10
会場:北星学園大学(http://jasdd54.jp/access.html) 
※このラウンドテーブルは無料で参加できます。

仲間になってくださる方は、こちらのリンクへ


2019年6月30日日曜日

6/29 One day cafe.sapporo開催報告



皆さん、愉しんでますか~?
はい。凸凹フューチャーセンター共同代表のトシヤです。

今回は、昨日(6/29)に行われました、One day cafe.sapporoについての投稿です。
手元に当日の写真が少ないので、簡素な形になりますが開催報告をします。

付箋&ホワイトボードで準備作業を見える化


当日、開催メンバーは10時に北大環境科学院に集合。
トシヤはひなの子育てで警戒心マックスのカラスの夫婦の威嚇攻撃にさらされながらも何とかたどり着けました。

参加者の方にも、上記のカラスの攻撃にさらされながらもいらっしゃた方もおられると思います。怖い思いをされながらも来てくださったことに改めて感謝です。

開催メンバー同志でチェックインをしたあとで準備作業に。
必要な作業を付箋に書き出したら、ホワイトボードを利用をして、作業状況を見える化を図ってみました~


多くの方が準備に奔走してくださいました


OSTの原則を描いているのは、学生の村瀬芽依(めい)さん。
めいさんは、2月のVisualPractice-グラフィックファシリテーション入門編に参加し、以降先生とのディスカッションにもグラフィックを活用されているようです。


また、でむさんのお知り合いのしもさんも、準備に駆けつけてくださりました。
レイアウトからモップがけなど、多岐にわたるお仕事をテキパキとこなしている姿が実に爽やか♪(写真はないですが)

その後、めいさんのお知り合いの学生さんやでむさんのお知り合い、そしてゲストの彩子さんもお越しになり、打ち合わせや準備に奔走してくださいました。

彩子さんのゲストトーク


そしていざ、本番。
本番では、トシヤはいつもの休憩ブースを担当する以外にもゲストとしてトークをしたり、受付をしたりしていたので、いつもより写真を撮る機会がなくて^^;
数少ない手持ちの写真と、でむさんからもらった写真で開催報告をしますね。

参加者同士のチェックインの後はゲストトーク。
一人目のゲストは彩子さん。
ご自身のお二人のお子さんの子育てや教育に関してお話してくださいました。


そして、彩子さんに続いて、トシヤがゲストトーク。

(写真提供:でむさん)

実習として、思いを手放して挑んだめいさんのグラファシ


グラファシは、めいさんが担当。
今回、初めて他人のお話を人前でグラファシするということでした。

事前の打ち合わせ時点で不安があったようですが、「実習の場」として捉える、「完全であらねば」という思いを手放して描くことにトライしてくださりました♪



めいさん、本当にありがとうございます。
初めての人前でグラファシ、どうでしたか~?
今回得た気づきを次回にまた活かせてもらえれば嬉しいです。

ものすごい熱量を感じたOST


ゲストトークの後は休憩を挟んで、OST(オープン・スペース・テクノロジー)
「OSTは初めて」という参加者が多かったのですが、ゲストトークでの対話で熱を帯びたのか、OST実施時にはものすごい熱量をトシヤは感じ取りました~


グループでの対話の後は、3人一組になり、各グループでの対話をシェア。
その後、サークルになって「各自が今日持ち帰りたい気づき」をワンワードで全員でシェアをして会はお開き。

お開きになった後も、会場のあちこちで対話が継続し、OSTで最高潮になった熱量がゆるやかに持続していく感じをトシヤは受け取りました。

謝辞と応援のお願い


本日ご参加された方々。
開催に尽力してくださった山中先生とめいさん。
素敵なトークをしてくださった彩子。
しもさんを始め、準備に駆けつけてくださった方々。

本当に多くの人に支えられて、無事にOne day cafe.sapporoを開催することができました。本当にありがとうございました。

もし、お時間、興味がございましたら、8月の日本発達障害学会でのラウンドテーブルの応援もお願いできたらと思います。

2019年6月9日日曜日

【発達凸凹 Book#40】『自閉症という知性』



皆さん、愉しんでますか~?
凸凹フューチャーセンターのトシヤです。

発達凸凹に関する本は本当にたくさんあって、この本がベスト!ということは言えません。でも、もしかすると一冊の本が、生きづらさを感じている人の扉を開いてくれるかもしれない…という思いを込めて、本をご紹介します。

本の紹介


『自閉症という知性』
池上英子=著/NHK出版新書

本書は、ニューヨーク在住の社会学者が、仮想世界でDJとして活躍するアメリカ人男性、マンガを描くことで自己理解を深める日本人女性など、他者とうまくコミュニケーションできない自閉症当事者を訪ね、彼ら彼女らの驚きの知性に迫った一冊になります。

書評


自閉症当事者は、他者とうまくコミュニケーションができないと思われがちです。
しかし、それは、インテリジェンスの形が多数派とは違うからであり、それぞれに個性的で内面に豊かな世界を抱えている人々がいるという事実を認識することは、社会全体にとってプラスになる、という指摘が印象的でした。

数々の自閉症当事者の知性に触れたことを、著者が「知性の多様性への旅」と表現していましたが、彼ら彼女らの世界観の豊かさの触れること自体を著者が愉しんでいたことが伺えますね。

著者が本書を通して、「『見え方・感じ方のマイノリティ』が、この世界を豊かにしてくれる」ということを伝えている気がして、勇気をもらえる人も多いのでは、とトシヤは感じました。

引用とコメント


以下は書籍からの引用とコメントになります。
「⇒☆」から始まる箇所が引用に対するコメント文です。

ニューヨークに住むようになってから、ダイバーシティ( 多様性)という言葉が創造性とリンクしていることが、身にしみて感じられるようになった。(中略)ダイバーシティは、 創造性の拡大を目指す社会にとっては積極的価値でもある。

⇒☆日本でも、多様性(ダイバーシティ)という言葉が創造性とリンクすることを実感できる機会が増えればいいなと感じました♪

自閉症はコミュニケーションや社会的相互作用の障害と位置づけられている。つまり、人との交流が苦手な人が多い。 
したがって、社会学者が得意とするインタビューによる調査方法や、心理学者が行う環境をコントロールしたラボでの実験などは、当事者に余計な緊張を強いることになり、なかなか深い話をしてもらえない。

⇒☆確かに、トシヤ自身も心理検査を受ける際に過度に緊張した記憶があります^^;

当事者へのインタビューやエスノグラフィーで、 私が大事にし て いることがある。 
それは、彼らが、なるべく(1) その認知特性に合った自然でいられる環境において、(2) 自分らしい「言語」で、(3) 自分が大事だと思っていることを、(4) 自分のペースで時間をかけて語ってもらう、ということだ

⇒☆上記4点を定型発達・発達凸凹を問わず、すべての人が1日のどこかの時間帯で持てるようになれば素敵ですよね♪

デジタル3Dの世界を表現手段とし、自分の内部世界の地図を作り上げているラレの活動はユニークだった

⇒☆トシヤも、自分自身の内部世界の設計にユーモアをもたせようと思いました~♪

「どういうときに職場で難しいと思うの?」 「人間が一番難しいよ。お客や同僚、両方だね。いろんなことを一度に言われて、いっぱいいっぱいになってしまう」  
仮想世界ではあんなに一度にいろいろなことが臨機応変にできたのに、現実世界のマルチタスクは楽ではないと

⇒☆トシヤも共感してしまいました~

ラレさんは、その二つのモードの往還を厭わない。地味な仕事を規則正しく続けながらも、仮想世界に深く没入して創造的に生きることは、勇気がいることなのだ

⇒☆自分もこのように生きていきたいと思いました!

米国では、自閉症スペクトラムの子を持つ親たちの団体は、大きな組織と財政的基盤をもち、自閉症への関心と研究を広く社会に訴える力となってきた。 
しかし、そのなかで自閉症のわが子をなんとか「治癒」したいと熱望する親たちと、自閉症を「アイデンティティ」と捉える当事者本人たちとの立場の違いが、次第に明らかになってきたのだ。

⇒☆日本でも既に起こっている現象かもしれませんね。

まずは、社会的な交流の最中に感情的な負荷がかかりすぎてしまう場合。もう一つは、インプットされる感覚情報が過剰になり、そのために情報を処理しきれず感覚飽和になってしまい、自分のコントロールが不可能になってしまう場合だ。もちろん多くの場合、この両方が同時に起きる。

⇒☆パニック発作が起こる原因についての自己分析になりますが、トシヤも同じような経緯でパニックになることがあります。

定型者は、言葉そのものだけでなく、話し方や表情で話者の本当の意思を探るという、コミュニケーションの癖がついているから

⇒☆今更ながら(笑)、トシヤは「定型発達の人はそうなんだ!」とこの文章を読んで気づきました…

子どものときは大阪のおばちゃんのように、抑揚が大きく表情やジェスチャーも豊かに話す人が苦手で、こう言っていたという。 「その度に言い方や顔つきが変わるし、笑ったりしたら、目の下の影の濃さや顔のしわの長さが変わる。その情報を一つずつ処理せなあかんから、しんどいねん」

⇒☆トシヤも、大阪のおばちゃん的な人が実は苦手^^;

私の知性の多様性への旅のなかで、紗都さんという透明でまっすぐに伸びつつある知性に出会えたことは、私の心をあたたかくしてくれた。

⇒☆「知性の多様性への旅」というのは、素敵な表現ですよね♪

2019年3月9日土曜日

【発達凸凹 Book#39】 『ライフハック大全―人生と仕事を変える小さな習慣250』



皆さん、愉しんでますか~?
凸凹フューチャーセンターのトシヤです。

発達凸凹に関する本は本当にたくさんあって、この本がベスト!ということは言えません。
でも、もしかすると一冊の本が、生きづらさを感じている人の扉を開いてくれるかもしれない…という思いを込めて、本をご紹介します。

本の紹介


ライフハック大全―人生と仕事を変える小さな習慣250』
堀 正岳=著/KADOKAWA・中経出版

本書は、「一瞬で使える、一生使える「武器」をあなたに―」というコンセプトで書かれています。
仕事、日常生活において「効率を高め、快適にする工夫=ハック」の数々がこの1冊に網羅されています。


書評


本書のタイトルには「発達障害」や「発達凸凹」という言葉は登場しません。
それにもかかわらず、「発達凸凹Book」として取り上げたのは理由があります。

『ライフハック大全』を発達凸凹Bookとして紹介する理由


実は、本書を上梓された後、「集中力を持続できない自分に向いている」というように、発達凸凹さんの間で話題になったことを、著者の堀氏が自身のnoteに書いています。

mehoriのライフハックジャーナル
 私は「知的生活の設計」の中で情報発信とは見知らぬ誰かのための贈り物という話をしていました。 
「見知らぬ誰か」にと言うのはGoogleの検索結果によって意図せずにやってくる人というよりも、もっと積極的に、私の側では知らないものの私の情報を探していた人と考えるようにしています。 
 たとえば「ライフハック大全」を出した際、それが発達障害に悩む人のあいだで「これは集中力を持続できない自分に向いている」といったように話題になったことがありました。 
不明にして私はそうした聴衆がいることに気づいていなかったのですが、必要としている方が本を見つけてくれたことに私は恩恵を感じています。 
(「インフルエンサーの罠を乗り越えて「選ばれる人」になろうという話」より抜粋) 

というわけで、今回は「発達凸凹Book」として取り上げさせていただきました。
堀氏の書籍やブログ、noteはマニアックな記事も多いのですが(笑)、文体は優しく、文章構成も論理的で分かりやすいです。特に読書好き・ガジェット好きの方にはおすすめです。

引用とコメント


以下は書籍からの引用とコメントになります。
「⇒☆」から始まる箇所が引用に対するコメント文です。

コイントスをしてAと決まった際に、どうも心がざわめいて落ち着かないならば、実は心の奥底ではBにしたいと思っていたのだと判断して、そちらを選ぶのです。コイントス自体は、自分自身の本心を引き出すためのブラフだったというわけです。
⇒☆選択肢が多いと選択にエネルギーを使いすぎることは凸凹さんにも多いと思われるので、そのような方には有効かもですね♪

自己啓発書のバイブルと言っていいスティーブン・コヴィー氏の『7つの習慣』には、主体的に考えるために選べる言葉がいくつか紹介されています。 
■ ~しなくてはならない → 私は、そうすることに決めた 
■ ~でないとだめだ → ~のほうがいいと思う
⇒☆「主体性を取り戻す」となると壮大なテーマに感じるかもですが、日々の言葉を言い換えることから始めてみてはどうでしょうか?

ネイル・フィオーレの“The Now Habit”には、仕事を先送りしそうなときに使える言い換えが紹介されています。 
■ やらなければ → どこから始められるだろうか 
■ この仕事は大きすぎて無理だ → 最初だけやってみよう 
■ 遊ぶ時間なんてない → 遊ぶ時間を忘れないようにしないと 
このように肯定的な言葉をあえて選ぶことによって、人は肯定的になれるのです
⇒☆先送りや無理なスケジュールを組んでしまいがちな凸凹さんにとっては心強いハック♪

私たちも 私たちなりの悩みを、心のヒーローや、本などで知っているメンターに問いかけて、聞いてもらえばいい のです。
⇒☆あなたにとっての心のヒーローは誰ですか?メンターはいますか?

電話がかかってきたときには、 たとえ予定がなくても「いま3分しかありませんので」と切り出してから話しましょう。
⇒☆そもそも電話自体に苦手意識を感じている凸凹さんに多いので、この切り出し方はパターンとして習得する価値がありそうです♪

そこで「四半期」をベースにした計画表を作ります。形式は自由ですが、そこには、 
■ 1年の概ねの目標 
■ それを実現するための四半期の目標 
■ 四半期ごとの締め日と調整の日程  
といったように四半期の目標が1年の目標を作り上げるように作っておきます。要するに 1年の目標を4回に分けてしまう
⇒☆先の見通しを立てるのが苦手な凸凹さんは必見!

プロジェクトが大きければ大きいときほど、開始「直後」に「大量の時間」を割り当てて、作業を一気に進めましょう。
⇒☆この際に「過集中」のゾーンに入ることができれば、さらにスタートダッシュできそう♪

返事する必要のあるものは「読みました、あとで返事します」とだけ返信し、返信を考えるという項目をToDoに書き込んでメール自体はアーカイブ 
(中略) 
重要なのはメール自体ではなく、メールの用件を信頼できる外部のシステムに移し替えることなのです。
⇒☆この「信頼できる外部のシステム」を複数持っておくことが凸凹さんには有効かもですね♪



2018年12月5日水曜日

【発達凸凹 Book#38】『MSPA(発達障害の要支援度評価尺度)の理解と活用』



皆さん、愉しんでますか~?
凸凹フューチャーセンターのトシヤです。

発達凸凹に関する本は本当にたくさんあって、この本がベスト!ということは言えません。でも、もしかすると一冊の本が、生きづらさを感じている人の扉を開いてくれるかもしれない…という思いを込めて、本をご紹介します。


本の紹介



『MSPA(発達障害の要支援度評価尺度)の理解と活用』
船曳康子=著/勁草書房

本書は、診断ではなく支援を目的として、生活現場でのニーズを重視して開発された新しい発達障害の評価尺度「MSPA(発達障害の要支援度評価尺度)」についての理論と活用を解説した書物になります。

MSPAは、こだわり・睡眠リズム・反復運動といった支援の必要な特性とその程度をレーダーチャートを用いて視覚化し、当事者と支援者がそれを共有できるようにするということが大きな特徴となっています。

本書の前半で、MSPAの開発の意図と特徴について、開発者である筆者が詳細に説明しています。

また、後半では、開発段階から協力し、さまざまな現場でMSPAを取り入れた実践をしている方々が、実際の療育や特別支援教育などの現場におけるMSPAの活用方法について寄稿したコラムが掲載されています。


書評



トシヤがもっとも印象に残ったのは、後半部の、実際の療育や特別支援教育などの現場におけるMSPAの活用方法についてのコラムです。

当事者や家族、そして関わっている多数の支援者が、当事者の特性やライフステージ(幼児期~青年期)毎に抱える困り度を共有する重要性と、その際にMSPAを用いたときの効果について書かれていて、特に支援者の方には有益な情報になるのでは感じました。

また、MSPAに用いて当事者の特性や困り度を視覚化する過程で、所属などの垣根がなくなることで得られる共通理解、保護者と協働体制をとる意思確認、自己理解・自己肯定感の高まりなどの、開発時には意図していなかった機能がMSPAにあるのではと思いました。


引用とコメント



以下は書籍からの引用とコメントになります。
「⇒☆」から始まる箇所が引用に対するコメント文です。

(MSPAは;註)2016年4月1日から保険収載され、医療機関でMSPAによる評価を行う際に医療保険が適用されるようになったこともあり、今後広く一般の医療・療育へと活用されることが期待されています。
(ⅰページ)

⇒☆医療保険が適用されるなら、経済的的な困難を抱えることが多い当事者もMSPAを受けることが容易になっていますね。

MSPAは特性の個人差を視覚的に理解できるように工夫してあります。それを当事者の方やご家族、多職種にわたる支援者が共有することで、特性に対する共通理解を促し、現場への支援に活かすことができます。
(ⅰページ)

⇒☆当事者・家族・支援者が共通理解・共通言語を持てることに大きな意味があると思います!

(MSPAによって;註)支援の必要な特性とその程度を視覚化し、当事者と支援者がそれを共有できるようにするということが大きな特徴となっています。
(4ページ)

⇒☆凸凹フューチャーセンターでも、グラフィックファシリテーションを用いて、「話の視覚化(見える化)」を行っていますが、この「視覚化する」ということが、本当に当事者や支援者の理解とその共有をよりやりやすくしていることを常々実感しています。

発達障害者は困難さとともに、特技やとくに得意な分野を持ち合わせていることが多いので、これらを積極的に見出し、軸として生かしていくことで全体的に過ごしやすくなると考えられます。 
そのため、得意分野及びその程度の聞き取りを最後に行い、これも欄外に記載するようにしています。
(19ページ)

⇒☆最後にこの「得意分野の聞き取り」を行うことで、ポジティブな印象を持ってMSPAでの評価を終えられるのは素敵だと思いました♪

(MSPAによる;註)評価を行えるのはあくまで発達障害に精通した臨床家・実務家に限られること、評価はマニュアルに則って行なわれなければならないこと、評価者は講習会ついて研修・トレーニングを受ける必要があるということを、あらためて強調しておきたいと思います。
(32ページ)

⇒☆MSPAの講習会を受けられる機会や場所が今後増えていくことに期待ですね♪

多動性の要支援度が高い場合、児童期にはじっとできるように注意するのではなく、プリント配布係の役を与えるなどして立ち歩けるようにするといった配慮があるとよいでしょう。 
成人では、できれば、動くことが業務内容になっているような仕事を選ぶなどの工夫がよいかもしれません。
(44ページ)

⇒☆なるほど~。要支援度の高い多動性を抑えようとするのではなく、逆にそれを生かすような役割や仕事を選ぶという選択肢を本人に持たせることが大切なのですね。

診断名のみが伝わると、「障害」という言葉を受け止めることで自己評価が低下し、また周囲も「障害」だから支援をしてあげなければ。という上からの目線になりやすい傾向がありました。 
これに対し、特性を自他がともに理解するという観点が入ってくることで、何をどうすればよいのかがよりわかりやすくなるというプラスがあるように思います。
(50ページ)

⇒☆「特性を自他がともに理解する」ことで、必要な支援をお互いに創り出す、もしくは、必要な支援がどのようなものであるかについて建設的な対話を行うという、より前向きな態度に変わることが期待できますね♪

「つきあう」には時間がかかりますし、当事者本人の主体性が必要です。周りが「こうしたほうがいい、ああしたほうがいい」と言うのではな、本人の「こうしたい」という気持ちを中心に据えて、時によっては待つということも重要です。 
本人が自分の特性に「つきあう」にはどうしても時間がかかるということを。周囲の人々も理解して支えていくことが大事であると思います。
(52ページ)

⇒☆当事者としても、自分の特性に「前向きに」つきあえる時もあれば、後ろ向きに「つきあう」ことしかできないときもある。そうした自分の特性に対してのつきあい方にも、時期などによって多様性があるということを受け入れていくことが大事かもしれないなと当事者としてトシヤは思いました。

MSPAがめざしているのは、個々人の発達特性を当事者本人が知ること、周囲にもそれを共有して知ってもらうこと、そしてその理解の差を縮めることで、自分に合った環境を選べることになるということです。 
当事者が生活の場で暮らしやすくすることこそが、MSPAの考える一番重要な点です。
(52ページ)

⇒☆自分に合った環境を選べるようになると同時に、自分に合った環境を自分と周囲とともに創り上げていくようになる人が、今後増えていけば素敵ですね♪

(子育て;註)相談の場や3歳児健診などの機会において発達障害の疑いが持たれた場合、すぐに病院の受診を促されるというのは親御さんにとって心理的な障壁が高いと考えられます。 
そうした場合でも、MSPAは診断名を出さない形で特性の理解ができますので、地域の支援の場でMSPAが活用できれば、診断を持たずに早期支援につなげることが可能になるのではないかと思います。
(54ページ)

⇒☆「まず診断ありき」ということをどうしても意識しがちですが、診断を待たずに子どもの特性を関わる人全てがその子の特性を理解して、早期支援に繋がればいいなと思いました。

(同時面談システムとは;註)本人、保護者、それに担任の先生など学校での支援者の方に相談の場に同時に来ていただき、支援センター所属の心理士(当初は清水先生)と、それに専門家として私が加わって。1時間の面談のなかで情報収集からアセスメントまでを一気に行うというものです。 
医療機関ではないので診断書は書けないのですが、この子の状況を良くするために明日からどうしていくのがよいのかという解決の道筋を、関係者がみんな集まっている場で示し、共有するというやり方です。 
(中略) 
この同時面談システムは、そうした箱ごとの垣根をなくして、関係者と専門家が一度に顔を合わせて相談しようという試みで、実際にやってみた実感として、とても早く共通理解と支援が得られるという感じがしています。 
顔が見えていることで、それぞれの方が自分の思いを語るだけでなく、相手の話も聞きますし、そのことによって「親御さんはこう考えていたのか」「学校ではここで困っていたのか」といった気づきも得られます。 
MSPAのツールを使うことで、それぞれの方の見方を勘案しながら公平に情報収集をすることができますし、何より、「この子の未来のために明日からどうしていくか」ということについてどれだけみんなが協力できるか、できる範囲でどこから始められるか、ということをその場で真剣に考えて共有することができます。
(62ページ)

⇒☆これは画期的なやり方だと思いました。この同時面談システムを行う際に、グラフィックファシリテーションが寄与できる部分が多いにあると感じました~♪

成人の発達障害の方を診察していて痛感していることは、現代は情報化社会で職種がずいぶんと変わってきていて、そのことが、発達障害者の就労の可能性を狭めているのではないかということです。 
以前であれば、伝統工芸の職人であるとか技術職、簿記などが、細い繰り返し作業による職種に適性がある方の就労先となっていました。それが、IT化やAI化といった現代の趨勢のなかで不要とされ、就労できない方々が出てきています。 
この状況をどうすればよいのかという妙案は持ち合わせていませんが、発達障害者が特性を活かせる職種をどう確保していくか、ということは社会全体にとって重要な問題だと考えています。
(64ページ)

⇒☆「10年後には、現在には存在しない職種が数多く誕生することが予想される時代」でもあるので、「特性を活かせる職種を今のうちから確保していく」のではなく、逆に「一人ひとりの特性(凸凹)から職種を新たに創り出していく」という、ある種逆の発想が必要かもしれないなと感じました。

親御さんが発達障害である場合の子育ての困難に関しては、それに対する支援に特化した制度はないというのが現状です。 
子育て支援センターには育児不安への相談窓口がありますので、そういったところを利用するのは一つの方法でしょう。 
(中略) 
MSPAを通して自分を知り、周囲の支援者にもそれを共有してもらうことで、メンタルヘルスを維持しながら子育てをしていただきたいと思います。
(64~65ページ)

⇒☆発達障害を持つ親御さんの子育てに関する支援に特化した制度が今後確立されることが必要だなと感じました。また、発達障害を持つ親御さんを支援するサービスを提供するソーシャルビジネスが増えていくことに期待ですね♪

元の特性は変わりにくいと考えた上で、これまでは対処法を身につけることで適用することができたけれども、その対処法は環境に応じて微調整したりやり直したいする必要があるのだと思っていれば、生涯を通じてトラブルを避けることができ、暮らしやすくなるのではないでしょうか。 
生得的特性を変わりにくいものとして捉えることの背景には、こうした考えがあります。
(66ページ)

⇒☆諦めるのではなく、特性として捉えて「明らめる」ということにも通じる考え方ですね。自分の特性を変わらないものとして前向きに明らめて、受け入れていこうとトシヤは思いました。

個人の特性に即したぶれない軸を持ち、そしてそれを本人と周囲の支援者の双方が理解して共有することが、無理のない積み上げとしていくためにはどうしても必要です。 
その支えとなるぶれない基準となるものとして、MSPAというツールを開発し鍛えてきました。
(69ページ)

⇒☆「ぶれない基準」だからこそ、「鍛える」という表現がぴったりくるなあと感じました。

MSPAでは幼児期のエピソードを中心に聞き取りを行うため、昔の記憶と共に感情がよみがえるのでしょう。 
過去の苦労を思い出し、泣きながら笑顔で話す保護者と共に、「今ここ」にある辛さや困りとは別の、「過ぎ去った苦労」そして「乗り越えてきた歴史」を追体験し、共有することができます。 
「今ここ」で必要な支援を行うにあたり、保護者と協働体制をとる意思確認のための貴重な機会と捉えることができます。
(100ページ)

⇒☆トシヤも診断を受ける際に、母子手帳を開いて自分の養育歴を読んで、「母親にすごく愛されていたんだな」ということがわかって少し涙ぐんでしまったことがありました。

MSPAはその構造上、苦しかった過去を振り返り、時に押し込めていた感情を吐き出す場になりえます。そして、特性によるものとそうでないものを整理して自己理解を促すことで、(中略)自分をより受け入れられるようになり、自己肯定感が高まることがあります。 
私は、こうしたプロセスは非常に心理治療的なのではないかと考えます。
(106ページ)

⇒☆MSPAの開発時に意図したこととは別の、副次的な効果なのかもしれないと感じました。

京都国際社会福祉センターにて、講習会を行っております。MSPAの評定は、発達障害についての専門的知識を有する専門職者が、MSPAの考え方や評定基準についてしっかりと理解し、十分な評定練習を積んだ上で行う必要があります。 
そのため、現状では、講習会を受講してから使っていただくことを原則としています。現在は年間6回程度、京都で講習会を開催し、1回につき50~100名程度の受講生に対して1日半の講習を受けていただいています。 
京都国際社会福祉センターのホームページを通じて申し込みをしてください。
(120ページ)

⇒☆MSPAの評定の講習を受けた修了生が増えるとともに、MSPAというツールやその概念に対して理解を持つ人が増えていくことにも期待ですね♪

2018年11月10日土曜日

「誰にとっても働きやすい環境を考える グラフィックファシリテーションとともに」を協働開催



昨日(2018年11月9日)、「誰にとっても働きやすい環境を考える グラフィックファシリテーションとともに」を協働開催しましたので、その報告をします。
報告者は、トシヤです。

StandUpForMultiColorsさん・ソーシャルスタンドさんとの協働開催


今回のイベントは、StandUpForMultiColorsさん・ソーシャルスタンドさんとの協働開催でした。会場は、レンタルスペースglad spaceさん。


凸凹フューチャーセンターにとって、初の東京でのイベント開催でしたが、StandUpForMultiColorsのえんどうさん・エミさん、ソーシャルスタンドのヒサトさんのお気遣いがあり、アウェイ感ゼロでイベントに臨むことができました♪

自然発生的にグラデーションを形成されるアイスブレイク


参加者は10名程度。
過去にOne day cafe.kyotoに参加したことがある方、「グラファシに興味があって」という方、中には、「何のイベントか実はわからずに来ました~」という方も♪

最初は参加者全員でのチェックイン。
半円になって一人ひとりの自己紹介を時間をかけて行いました。

次に、アイスブレイク。
「話す方が好きor聞く方が好き」といった質問を交えながら、参加者の特性や好みが自然発生的にグラデーションをなしていく様子がトシヤ的には興味深く写りました。

「誰にとっても働きやすい環境について」の対話に誰もが熱中


その後、今日のイベントの趣旨である「誰にとっても働きやすい環境」をまずは3~4人のグループで対話。その対話の内容を全員でシェアする傍らで、さよさんがグラフィックを描いていきました。

さよさんのグラフィックが完成したら、参加者全員がプロッキーを片手に、2~3人1組になり、グラフィックの前に集結。

「今の話でここが気になった」「ここの部分で自分はこう感じた」と1人が語ると、同じ組の誰かがグラフィックにその「気になったこと」「感じたこと」を記入していく。



上記のような方法で、お互いの思いや気づきをレコーディングし合いながら、さらに対話を深めていきました。

最後にリフレクション。
A4用紙一枚に、それぞれが今回の対話での気付きや感想を記入し、全員にシェアしていきました。

今回は2時間のイベントだったのですが、終始対話が盛り上がり、リフレクションが終わるまで用意したお菓子や飲み物がほとんど減りませんでした。それほど、参加者全員が対話に熱中したのだなと改めて感じました。

「東京でもOne day cafeを!」という声を受けて


2018年の春のOne day cafe.kyotoにて、一人の参加者がこういっておられました。「こういった対話の場を是非東京でもやってほしい。東京でもこういった対話の場を必要としている人がたくさんいると思うので」

上記の声にどれだけ応えられたかはわかりませんが、参加された方がそれぞれの気づきを得て、日常に持ち帰ってもらえたら嬉しいなと思います。

謝辞


最後になりますが、凸凹フューチャーセンターにとって初の東京でのイベント開催に当たり、細やかで温かい協力を頂いた、StandUpForMultiColorsさん・ソーシャルスタンドさんにお礼申し上げます。

次はぜひ京都でコラボしましょう♪

2018年11月3日土曜日

【発達凸凹 Book#37】 『私たちは生きづらさを抱えている』




発達凸凹に関する本は本当にたくさんあって、この本がベスト!ということは言えません。
でも、もしかすると一冊の本が、生きづらさを感じている人の扉を開いてくれるかもしれない…という思いを込めて、本をご紹介します。

本の紹介


私たちは生きづらさを抱えている
姫野桂=著・五十嵐良雄=監修/イースト・プレス

本書は、発達障害の特性による生き辛さをテーマに、発達障害当事者22人に取材を行い、彼らの生きづらさをリアルに洗い出した一冊になります。

また、書き下ろしとして、「自分も発達障害かも」と疑う著者が心療内科を受診し、検査を受ける体験も収録されています。

書評


発達障害専門の医師が発達障害の知識や特性を解説した書籍は多くありますが、本書のように多くの当事者(その数22名!)に取材を行い、当事者がそれぞれ抱える生きづらさをリアルに洗い出した書籍は珍しく、本書の貴重さを感じます。

本書のもう一つの特徴は、「自分も発達障害かも」と疑う著書が、心療内科を受診し、検査を受ける体験が詳細に書かれていることです。

診察での医師とのやり取りや心理検査の内容が詳しく書かれていて、「検査を受けるかどうか迷っている」「検査ではどんなことをするのか」と不安を感じている人にとって大いに参考になります。

また、「知っておきたい発達障害の基礎知識」というコーナーがあり、そこでは、発達障害の種類などといった基礎知識が簡潔にまとめられているのも有益だなと思いました。

引用とコメント


以下は書籍からの引用とコメントになります。
「⇒☆」から始まる箇所が引用に対するコメント文です。

当事者の悩みで一番多かったのが、マルチタスクが苦手だったり、職場の人と良好なコミュニケーションが取れなかったりして、仕事が続かないこと。  
次いで、二次障害によるうつ病や睡眠障害、自律神経失調症、発達障害の特性により引き起こす可能性のあるギャンブル依存症や買い物依存症、性依存症などだった。 
体調が悪くて病院を受診したら、その体調不良は発達障害が引き起こした二次障害だと判明したケースも珍しくなかった。 
この本により、当事者の現状や本音が少しでも多くの人に誤解なく伝わり、生きづらさの緩和への道が開ければと思う。
(5ページ)
⇒☆二次障害のうつや睡眠障害は結構認知度が上がったと思いますが、ギャンブルや買い物、性への依存症が多いということはまだまだ認知症が低いように思います。

また、生きづらさの緩和への道を開くことに、当事者も定型発達の人も関われるような仕組みがあればいいですね。

周りが楽しそうにしていても、自分には何が面白いのかがわからない。自分の好きなことややりたいことを一生懸命語っても、相手に響かない。そのようなズレは発達障害の人にしかわからない。
(42ページ)
⇒☆自分の好きなことややりたいことを一生懸命語っていても、全然伝わってないことってありますよね。また、発達障害者同士でも、このようなズレが往々にしてあるように感じます。

グラフィック・ファシリテーションがそのズレを解消する一つの方法として認知されれば嬉しいですね♪

「私たちはお互い真逆の夫婦なんです」とショウタさんは語る。発達障害にはできることとできないことの差が激しいという特徴があるが、お互い真逆なおかげで、苦手な面を補い合って生活できているという。 (中略) 
入籍する前、半年間ほど同棲をして、お互い何が得意で何が苦手なのかを見る機会を作りました。そしてお互い得意・不得意をよく知ったうえで、今は暮らしています。 (中略) 
もちろんふたりとも共通して苦手なことはあります。片付けに関してはふたりとも苦手ですが、僕は体調を崩しちゃうくらい苦手なんですよ。そこは、程度を見てどちらがやるか決めています。
(66ページ)
⇒☆まずはお互いの得意・不得意をよく知る。そして苦手な面を補い合う。素敵な共同生活♪また、ふたりとも共通して苦手なことは、思い切って他の人に頼んだり外注したりしていくことも、持続可能な共同生活を送る上で大切かもと感じました。

今回の取材は「口下手なので、あらかじめ話す内容をまとめてきました」と、アユミさんはA4用紙10枚にも上る「自分史」を書いてきてくれた。 
その様子をショウタさんは「当事者自身が自分の障害を正しく理解することは重要。妻はすごいと思う。自分で理解することが周りに理解してもらう近道なのでは」と語っていた。
(70ページ)
⇒☆「自分史」を書けるということがまずすごいですよね!そしてそのことを素直に「すごい」と賞賛できるショウタさんも素晴らしいと思います♪

『必要なものだけ買いなさい』と言われても、私には全部必要なものに思えるんです。優先順位があいまいなんでしょうね。
(74ページ)
⇒☆衝動買いとか片付けができないというのも、「優先順位があいまい」という特性を抱えている人に多いのかもしれないですね。

ADHDの人はその衝動性からニコチンやアルコール、ギャンブルや性といった依存症に陥る確率が定型発達の人の2倍という研究結果が出ている。
(74ページ)
⇒☆このデータ自体がもっと多くの人に広まればと思いました。依存症に陥ったことを「自分の意志が弱いから」というように、必要以上に自分を責めることも、このデータを知ることで少なくなると感じます。

ADHDの特性のひとつである『ポップコーン現象』というものだと医師が言っていたのですが、頭を中でポップコーンが弾けるように、様々な考えが浮かんでいくんです。
(87ページ)
⇒☆いわゆる「脳内多動」という、ADHDの人によく見られる現象かも。それにしても、キャッチーなネーミングですね♪

自助会が合わないと感じた人や、発達障害に限らず生きづらさを感じている人が気軽に集えたらいいなと。
(125ページ)
⇒☆「発達障害に限らず生きづらさを感じている人が気軽に集える」のが発達障害BAR The BRATsだとしたら、「生きづらさを感じている人を含めた様々人が対話するために集える」のがOne day cafe.kyotoなのかもしれないなと思いました。

僕は「発達障害の自分はマイノリティだ」という意識がすごく苦手です。「私はマイノリティだから」、自らを社会から隔離してしまっているような。 
そういう側面が、このマイノリティという概念をブラックボックス化しているように感じるからです。 
マイノリティに見られるように自らパフォーマティブに振る舞うことで、二重の共犯関係が生まれているのではないでしょうか。
(129ページ)
⇒☆「自分はマイノリティかどうか」ではなく、「相手も私も違う一人の人間である」という多様性の観点から始めていくことが大切かもと思いました。

ちょっと言葉遊びになってしまいますが、体験と経験をきちんと区分けすることは重要かなと。体験を自分のなかに組み込まないと経験にならないと思うんです。 
だから、体験だけを積み重ねている人は成長しないと思います。体験をいかに経験にするか、です。 
自分のなかに体験を入れていって、言語化していくなかで他人との共通点を見つけられる状態が経験だからね。
(142ページ)
⇒☆何かを体験した後にその体験を自分自身の中でRethinkする、もしくは他の人と語る。そこで得られた気づきを言語化していくことで体験を経験にできるんじゃないかなと思いました。

そういう意味で、One day cafe.kyotoでの「対話の場」は、「体験を経験にする」ステージの一つかもしれませんね♪

僕のなかでは社会が受け皿を作るというより、もっと主体的に「自分の特性はこうだ」と示して、自分で作っていくものかなと思う。 
そのなかで受け入れられるためには「お互いこういう努力をしましょう」と交渉をしますし、その上で相手が望むパフォーマンス以上のものを提示すれば、リターンは確実に来ますから。 
そうやって自分の場所を僕は守っているつもりです。
(144ページ)
⇒☆社会に受け皿を要求するのではなく、まずは自分で作っていく。そしてできれば他の人と一緒に作り上げること、その作り上げる過程を一緒に愉しむということができたら素敵ですね♪

今、定型発達の人は「君たちは扱いづらい」、発達障害人は「もっと配慮して」と言う、お互いにドッジボールをしているんですよね
(146ページ)
⇒☆この「お互いにドッジボールしている」っていう指摘、すごく納得しました。少なくともOne day cafe.kyotoでは、定型発達・発達障害を問わず多くの人が、ドッジボールではなく、「キャッチボール」を対話を通じて愉しんでほしいですね♪

バーの名前である「BRATs」ってそういう意味も含めています。直訳すると「悪ガキ」ですが、それを自分たちで名乗るところに意味を見出しています。 
「お前たち悪ガキだろ?」と言われたとき「いや、違うよ。障害なんだよ」と言ったら攻撃なんです。だから、こちらは度量を見せて「うん、悪ガキだよ!」って言いたいです。 
やっと中二病を出した(笑)
(147ページ)
⇒☆この「悪ガキなんだよ!」って自ら名乗ること、そしてそれを愉しむ度量と余裕!この感覚、素敵♪

セックス依存症は女性に多い病です。特に薬物依存症や性虐待を生き延びた女性に多く見られ、不特定多数の異性と関係を持つこと自体が、彼女らに一時的な心の安定をもたらします。 
心理的苦痛や不安を解消するため、または心的外傷への対処行動として彼女らは、その行動を繰り返し、やめられないのです。(『男が痴漢になる理由』p.47)
153ページ)
⇒☆セックス依存症は女性に多い病であること、そして心理的苦痛や不安を解消するため、または心的外傷の対処行動として繰り返して止められないということをもっと多くの人に知ってもらいたいと思いました。

定型発達の人と比べると、当事者のほうが性について話したい人と話したくない人の差が激しい傾向にあります。当事者のなかでも、もっと性について語れる場を増やしていきたいです。 
性って本来すごく大事なことに全然話せていない。『それならば、性について話したい人だけが集まればいいじゃん』と思われるかもしれませんが、そうなると今度はその人たち同士でどういう距離感で話せばいいかという問題が生まれます。(中略) 
自助会のようなクローズドな場はたくさんある一方、オープンな場は発達障害バーくらいしかありません。だから、自助会でもなく饒舌な交流会の場でもなく『自助会以上、居場所未満』の中間層を今後作っていきたいです。 
発達障害の人に向けて、性の悩みや性被害を少しでもなくしていけたらと思います。
(156ページ)
⇒☆この「自助会以上、居場所未満」という中間層が、今エデン大阪やエデン京都などを中心に徐々に増えてきていますね。

ハーバード大学を卒業された『ポジティブ心理学』の第一人者ジョン・エイカー氏が、スーパープレゼンテーションで『就職(成功)したら幸せになる時代ではない。幸せになったら成功できる時代だ」と言っていました。 
幸せに感じたところから自己受容が起こり、自己肯定感が高まって、自己開示につながり。そして相手のために自己表現をすることで他者と繋がっていくので、結果的に"就労"という形になるんです。 
自己受容がはじまる前段階で、無理やり就職をしても長続きすることはかなり難しいと感じています。
(192ページ)
⇒☆「自己受容がはじまる前段階」。これはセルフアドボカシーが重要ということを言っているような気がしました。

2018年10月22日月曜日

2018年10月のOne day cafe.kyoto開催レポート



皆さん、愉しんでますか~?
10/21に開催した、One day cafe.kyoto(第23回)の開催報告です。
凸凹フューチャーセンターの共同代表のトシヤが報告いたします。

7月以来、久々の開催となったOne day cafe.kyoto。
場所は去年(2017年)の前半にお借りしていた呉竹文化センター。

チェックインでチャレンジや求めるヘルプを話すことで安心して開場


開場の前にいつも、スタッフでチェックインをするのですが、今回は、早めに会場入りされていた参加者の方も数名入っていただいてのチェックイン。

  • 今の気持ち
  • 今日チャレンジしたいこと
  • ヘルプしてもらいたいこと

などを話すことで、チェックインをした人全員が、安心して開場を迎えることができました♪

今回の試みとして、普段1人のファシリテーターが担当していた、導入の部分を他の人が分担することを試みました。具体的には、「One day cafe.kyotoとは?」という趣旨説明にトシヤが、アイスブレイクにどらえもんさんがチャレンジ。

トシヤは柄にもなく(?)、緊張して硬い趣旨説明になってしまったのですが、でむさんがしっかりとフォローしてくれました。
でむさん、フォローありがとうございます~。

ゲストトーク


今回のゲストは、就労移行支援事業所に勤務されているみかさん。
グラフィックはでむさんが担当。



「一個人としていろんな方々が一緒に働いていく・生活をしていくためにどんなことが自分にできるんだろう」と模索中ということで、これまでのご自身のことを振り返りながらお話をしてくださいました。

「緊張すると早口になってしまいます…」と心配されていたみかさんでしたが、実に聞き取りやすい語り口で、スライドも見やすい構成になっていました~。
みかさん、素敵なゲストトークをありがとうございました!

発達障害当事者会フォーラムin広島の報告


みかさんのゲストトークに続いて、10月7日に開催された「発達障害当事者会フォーラムin広島」についての報告。グラフィックはみーにゃんが担当し、フォーラムでグラファシをしてきたでむさんが報告する予定でした。

ところが、嬉しいことに、第2部のパネルディスカッションで登壇された「広島県福山市の大人の発達凸凹当事者会 ついんくる」代表のよつばとさんが参加されていたので、急遽よつばとさんにもフォーラムの様子を語っていただきました♪



よつばとさん、急な申し出にも関わらず、お引き受けくださり、本当にありがとうございました~

対話の場(OST)


休憩を挟んで対話(OST)の時間。
みかさんのゲストトークに触発されて出てきたと思われるテーマなどが飛び出し、どこのテーブルも白熱した対話が展開されていました。


謝辞


今回のOne day cafe.kyotoは、初めての方や久々に参加された方が多いなという印象でした。中には、大阪と京都で実施した、メンバー募集説明会に来てくださった方も参加してくださっていました。

参加してくださいました方々、ゲストのみかさん、当事者会フォーラムin広島の報告をでむさんと一緒にしてくださったよつばとさんに改めてお礼申し上げます。

2018年10月15日月曜日

大阪と京都でメンバー募集説明会を開催しました



皆さん、愉しんでますか~?
9月と10月に開催した、「メンバー募集(^^♪説明会 凸凹フューチャーセンター」の開催レポートになります。凸凹フューチャーセンターのトシヤが報告いたします。

平日夜は大阪で、土曜の夕方は京都でメンバー募集説明会を開催


説明会@大阪は、9/20(木)の夜に開催。場所は、凸凹フューチャーセンターの「おとん」こと(笑)、谷さんのご厚意で、素敵なスペースを貸していただけました♪
おとん、ありがとうございました♪

説明会@京都・淀は、10/13(土)の夕方、ヨドラダファミリアでの開催となりました。

2年間活動してきた中で気づいた「学びのサイクル」


大阪、京都・淀の両方において、私たちが約2年活動をしてきた中で気づいた「学びのサイクル」というものを紹介しました。


    1. 自分を大切にする
    2. 参加する
    3. 場をつくる(イベントを作っていく)
    4. 共創する(コミュニティをつくっていく)

そして、@大阪では、上記の4点(4つのゾーン)の中で、「自分が得意なゾーン」・「自分が苦手としているゾーン」について対話する時間を設けました。

また、@京都・淀では、One day cafe.kyotoの後半で行っている、対話の場(Open Space Technology;OST)をプチ体験してもらう企画も実施しました。

自分たちの活動をわかりやすく伝えることの重要性と難しさを痛感


初の試みで実施した説明会。自分たちの普段の活動をわかりやすく伝えること、言語化する重要性と難しさを改めて実感しました。至らない点もたくさんあったと思いますが、一緒に時間を過ごさせていただき、ありがとうございました。

「説明会に参加して、もっと知りたくなった」、「一度、活動の場を覗いてみたい」と感じた方は、気軽に10/21(土)のOne day cafe.kyotoにご参加いただければ嬉しいです。

One day cafe. kyoto ~発達凸凹の ? について語るcafe#22~
こくちーずの申し込みページはこちら
皆さんにお会いできるのを愉しみにしてますね♪

2018年10月8日月曜日

でむさんが発達障害当事者会フォーラム2018in 広島にグラファシで参戦!

「発達障害当事者会フォーラム2018in 広島」が広島で開催されました。

前回の大阪開催、東京タワーでの自閉症啓発デイに引き続き、凸凹フューチャーセンター共同代表のSayo Suzukiがグラフィックファシリテーションで駆けつけてきました!

発達凸凹当事者だけでなく、発達障害支援センターの方や、教員のみなさん、公明党参議院議員 山本ひろし議員なども駆けつけておられ、厚生労働省が後援する100人近い参加者が集まる場となりました。

主催してくださった 発達障害当事者協会のみなさん、東京や全国から駆けつけて場をつくってくださったみなさんありがとうございました。



第1部は、公益財団法人慈圭会精神医科研究所の青木先生による特別講演でした。

「当事者と支援者に大きな違いはないのでは。"ぼくらの中の発達障害"に誰もが気づくことから…」

「人はみんなグレーゾーンに生きている。支援とは、程度の低い(薄い)人が高い(濃い)人をたすけるものであって、やがて助けられる人が助ける人になっていく。相互扶助」

「表裏のない発達障害当事者にみんな救われているんじゃないか」

「通訳・解説する人の重要性」

といったお話に、会場からもうなずきや気づきの声が聞こえてきました。



第2部では、発達障害当事者会(発達凸凹本人が主体となって運営しているコミュニティ)の代表9名がパネルディスカッションを行いました。

当事者会だからできること、発達障害支援センターだからこそできることを改めて話す場となりました。

発達障害当事者会は一人ひとりが自ら課題を見つけていく場所だという声もある一方で、どんな意味がある場所なのか説明する難しさも挙げられました。

発達障害だから。と開き直るのではなく、主体的に自ら居場所をつくっていこうとする当事者の声に、参加者として訪れた支援者の方々が当事者と社会や定型発達の方をつなぐ難しさに触れるなど、私たちごととしての対話が生まれていました。


ぜひ、詳細はグラフィックをご覧ください!
Coming soon


2018年10月7日日曜日

【発達凸凹 Book#36】 『事例で学ぶ発達障害者のセルフアドボカシー』




発達凸凹に関する本は本当にたくさんあって、この本がベスト!ということは言えません。

でも、もしかすると一冊の本が、生きづらさを感じている人の扉を開いてくれるかもしれない…という思いを込めて、本をご紹介します。

本の紹介


『事例で学ぶ発達障害者のセルフアドボカシー
片岡美華・小島道生=編著/金子書房

本書は、発達障害者の「セルフアドボカシー(自己権利擁護)」を学ぶための入門書になります。セルフアドボカシーは、2016年度から施行された障害者差別解消法によって注目されるようになりました。

合理的配慮とセルフアドボカシーとの関係


この法律は、合理的配慮の提供について規定していますが、合理的配慮を得る際には、当事者からの「意思の表明」があったときとされています。

当事者が「バリアがあるから取り払って!」と声を上げることで、「自分に合った支援」が検討され、支援獲得へとつながっていきます。

発達障害の当事者が自己理解と提唱の力をつける方法を紹介


「自分に合った支援」を獲得する際に、自分のことを理解し(自己理解)、それを伝えること(提唱)というセルフアドボカシーが重要となってきます。

この自己理解と提唱は、発達とともに獲得され、また教育することで補強されていきます。

以上を踏まえ、本書では、青年期を中心とした発達障害の当事者、家族、教員(支援者)に対してセルフアドボカシーを解説し、その力を付けるための方法を紹介しています。

本書は以下のような三部構成になっています。
   第Ⅰ部 セルフアドボカシーの理論
   第Ⅱ部 セルフアドボカシーの支援の実際
   第Ⅲ部 当事者からのメッセージ

書評


編著者は本書を「入門書」と位置づけて、なるべく平易な文章で説明しています。
しかし、第Ⅰ部第3章「セルフアドボカシーと提唱力」は抽象的な記述が多いので、場合によっては読み飛ばすのもアリかなと感じました。

第Ⅱ部「セルフアドボカシーの支援の実際」では、セルフアドボカシーの力を付けるための先進的な取組事例を5例紹介しています。

各事例の末ページの解説で実践のポイントが示されているのは、セルフアドボカシーについて取り組んでいる支援者・教育者にとって有益だなと思いました。

また、セルフアドボカシーは当事者が主体となるべきテーマなので、第Ⅲ部「当事者からのメッセージ」では、当事者自らの体験談や考え方の示唆が述べられているのも本書の素敵なところだと感じました。

セルフアドボカシーを行使する当事者や、それを援助あるいは受け止め支援提供していく支援者が、どのようなことに留意すればいいかを考えていく際の参考になりますね。

引用とコメント


以下は書籍からの引用とコメントになります。
「⇒☆」から始まる箇所が引用に対するコメント文です。

発したことばを板書に示すなど、見えるように、見返せるようにするのを一つの方法だと思います 。 
ASDの人は、書字で示すと冷静に受け止められることがあります。このことからも話したことば、書きことばを駆使して提唱力を伸ばすとよいでしょう(片岡) 
(55ページ)
⇒☆ASDの人の提唱力アップに、グラフィックレコーディングが有効ということかもですね♪

どのような過程で支援提供が決まるのかを見える形で示したり、ルールづくりをしておいたりすることは重要です。 
また仮に、当初の希望通りに支援提供できないとしても、その理由や、代替案を示さないことには、当事者として納得できるものではありません 
これは、障害者差別解消法による「合意形成」が必要であるというところにあたります。
(57ページ)
⇒☆「合意形成」とは、単に希望通りの支援提供が可能になった祭の合意を指すだけでなく、希望通りの支援提供ができない理由や代替案を提示する際のことも指しているということも多くの人に知ってもらえればと思いました。

なおニュージーランドは、適切に対応した担当者(障害学生支援室の職員ではなく、主に教員)に対して表彰を行うことで、教員のモチベーションをあげる工夫も行っていました。
(58ページ)
⇒☆単に「障害者差別はいけません!」と通達するのではなく、このような表彰を行うことでモチベーションも上がりますし、教員各自が自身の教育・研究活動に合理的配慮をどう盛り込むかを考えるきっかけにもなりそうですね♪

他者にしっかりと自分の思いを伝えることは、信頼関係はもちろんですが、眼前にいるスタッフ(他者)は自分の思いをしっかりと聞いてくれる対等な存在だと意識しなければ成立しないからです。 
これを踏まえると、スタッフ対支援者の前提を自覚しつつも、語り合う「私」と「あなた」という固有名詞の関係に発展させることがSAプログラム(「セルフアドボカシー教育プログラム」;註)においては求められるでしょう。
(75ページ)
⇒☆私たち凸凹フューチャーセンターがOne day cafeで大切にしている、「対等な立場で語る」・「対話する」ということの重要性が指摘されていますね。

まずは、生徒自身が自分自身を語ることで自己理解が始まるように感じました。自己理解を深めるためにも、根気強く関わり、タイミングを逃さずに支援していることが大事だと思います。
(100ページ)
⇒☆当事者自身が安心・安全を感じながら、自分自身のことを語る「ストーリー・テリング」の方法を用いることということかもですね。

(インフォームド・コンセントは;註)6歳までの患者であれば親の同意で代替可能ですが、小学生から中学生ではインフォームド・アセント(同意)、高校生以上では大人同様のインフォームド・コンセント(許可)が求められ、子どもに内緒に、あるいは嘘をついて診療するわけにはいきません。 
子供の発達特性や心理状態、保護者の養育状況に合わせて、病院を受診する目的や治療のゴールを説明し、協働治療者としてタッグを組む必要があります。
(117ページ)
⇒☆ここの部分の記述は、先日の第1回凸凹フォーラムのゲストである小谷裕実先生が担当された、第Ⅱ部実践事例4「医療現場での発達障害のセルフアドボカシーの支援―'わたし'についてのレポートと親子へのインタビューからみえること―」からの引用です。
「協働治療者」という表現が素敵過ぎます♪流石は小谷先生!

差別や偏見については、そのこと自体絶対にしてはいけないもの、ダメなものとして固定的に捉えると、その本質についてそれ以上探ろうとしなくなります。 
むしろ、差別や偏見の心は誰にでもあり、その心が生じたときには、どうしてその思いを抱いたのか向き合って考えること、差別や偏見は、その人のことをよく知らないときに生じるものであり、もっとよく知ろうとすることで、差別や偏見の心はしぼんでいくと捉えことが大切です。 
差別や偏見について、常に考え続けることが、障害の有無にかかわわらず誰もが豊かに生きる社会づくりにつながります。
(124ページ)
⇒☆差別や偏見をタブー視しすぎるのではなく、自分が差別や偏見の思いを持ったときに、その思いを抱いた自分を認め、その背景を考え続けることの意義をもっと広めていきたいなと感じました!

まずは自分たちの当たり前を無意識に押し付けていないか、そのことで困っている人やつらい思いしてる人がいるのではないか、という視点を持つことが大切です。さらには、「障害のある人のために」ではなく、「障害のある人とともに」という意識をもつことも重要です。 
そのためには、地域において、障害について学んだり、障害のある人と一緒に活動したりする機会を設定する必要があると考えます。
(131ページ) 
⇒☆凸凹フューチャーセンターでも、One day cafe.kyoto等の開催を通じて、障害のある人と一緒に活動する機会を多くの参加者の方に経験してもらえたらと思いますし、自分たちもそうような経験をたくさんしていければと思いました~♪

当事者が、周囲の人々とともに考える、伝えあうことが重要になってくるでしょう。これはセルフアドボカシーにつながることであり、周囲の人が障害について認識を深めるためにも欠かせない学習内容と言えます。
(132ページ)
⇒☆当事者だけの場で心の安定が得られたなら、その次には、障害のない人と共に考える、伝えあう場をもっと多くの当事者が愉しんでくれたら素敵だなと感じました♪

私は、私が相談等で関わっている子供たちや当事者(成人)の多くに、「自分プレゼンを作ってみないか」と投げかけています。それは、私が自分自身を他者に理解してもらうのに有効だったからです。 
「私には、こんな特性があります」「こんなエピソードがありました。それは私のこんな感覚から起因したことだと思います」など文章や言葉だけでは伝えづらいことをスライドにするものです。 
こうした「自分プレゼン」を使うことで、見た目には理解されづらい障害でも感覚として納得してもらえたり、お互い歩み寄れたりします。
(143ページ)
私は相談に来てくれる方たちといろいろな話をしながら「自分プレゼン」のネタをご本人の口かきかせてもらっています。 
ただ自己理解という観点で相談に乗るのではなく、一歩踏み出せるようになるような作戦ツールとなるように一緒になって「自分プレゼン」づくりをしています。
(147ページ)
⇒☆自己理解だけでなく、自己プレゼンづくりを通して一歩踏み出せるようになる!実に愉しそうに自分プレゼンづくりをやっていけそうですね♪

セルフアドボカシーのためには主張というスタンスではなく、建設的な対話姿勢で臨んでいくことが重要なのです。
151ページ)
⇒☆今後ますます、対話というプロセスを丁寧に行うことが必要とされていく時代になりそうですね。

オリンピックを目指す選手とパラリンピックを目指す選手が一緒になって練習をしたら、お互いの記録が伸びたというニュースを目にしました。 
これは、お互いが心の部分から歩み寄り、尊重し合い刺激を受け合った成果かもしれません。分ける教育や社会ではこの効果は得られないままだったでしょう。
(158ページ)
⇒☆このように当事者も定型発達の人も心から歩み寄り、尊重し合い刺激を受け合うような場を、みなさんと一緒に愉しく創り上げていきたいと強く思いました~♪